それは近くの病室の帽子かぶった十代の男の子
痩せていたけど元気そうに病棟の廊下歩いていた
彼女が欲しい年頃の男の子

廊下の長椅子に座っていた私の隣に恥ずかしそうに座って来た

体調悪く元気なかった私はその時何も話せず席を立て離れた

年末に三日程、外泊届けを出し病棟に戻った後

あの元気そうだった男の子は無菌室で この世界から旅立っていた

その数ヶ月前 原発作業員が被爆して来院していたという
噂が立っていた

その後に、私は吐いて髪はごそっと抜け落ち肌の紅い斑点は、いくつか大きな紫斑となり
鼻血は止まらなくなり、歯茎と歯は真赤。
身体から外に出る血がなかなか止まらなくなり輸血した。
あと数時間、遅れていれば命は無かったという

先生は、私が何処に居たか滞在していたか、尋ねた
吐く前に、原発の手前に2時間以上居た真夏の肌を出した姿で、祭り夜だったので
帽子もかぶってはいなかった
その原発近くでバイトをしていた

八月には、原爆記念日に黙祷のためサイレンが鳴り届く

数年間、自然エネルギーを推進していた
ある病気を発症しまた輸血し強い副作用による治療薬を服用しなくてはならくなった
その数年後、福島原発は大地震により爆発し放射線を空と海に

その後、外出し部屋に戻り激しく繰り返し吐いた
白血球の数が増えていた
何の詳しい説明も避けられ、一番、危篤な副作用
並んだ治療薬を服用しなくてはならなくなった

ネットで、反原発を訴え続けた

(この話は実話です。)