俺はゆるやかに、
しかしかなりの速度で惑星間を縫いながら飛び続ける
すれ違う木星のそれ自身が持つ重力の重みを左半身に感じながら
右半身に無限に広がる深くくぼんだ闇の奥行きを思いながら
数多の遠い星々とその銀幕が尾を引きながら視界を切り開くように流れてゆく
しかし風は感じない
あてどなど知りようもない
万物はあるべき処へ
U.W.T.Bは輪郭なき肉体を誘う
帰るべきどこかへ
そこはもはや名前のある物質で構成された惑星や宙域ではない
非物質的な何かへと俺は誘われ、
その光に生命を溶かすことを俺は心の底から許している
人間の感情では計り知れない大きさのゆったりと白熱した思惑
この宇宙の崖っぷちへ
惑星たちが放つホワイトノイズが歌になり、幾層にもざらついたそれが波になって押し寄せる
オレンジで瞳が灼けそうだ
想像もつかないスピードで引き寄せられていくにつれて、巨大な斜方形がゆっくりと回転しているのが見える
それは質量を持たず ただ輪郭だけがその姿を浮き彫りにしながら
そのしるしをくぐりぬけたなら
色彩はない また
時間などもはや意味を持たないのだ