『』

来週の今頃には天地が逆転して
彼女と僕とも逆転して
過去と未来もひっくり返る
だから直線は直線のまま、逆方向に続いていくことになるし
誰も彼もそれを望んでいるのだ
頭のおかしいハミューズが言った
彼女は那由多に逃げていきました
吃音のエコーはトントンと
指でリズミカルに机を叩いて
しまいには
教室にいるみんなが泣いていることを共有して
オンオンゴウゴウと風が轟きました

そんな光景をぼくはただ虫を見るように眺めていた
百日紅の落日が谺して
耳から離れなかったのだ