ほうき星に鄙びた宿を求めるのは
落伍者のせいではない
空舞う美しいぺんしるが
逃げ場を失いのたうつからだ
融けない氷をレモンソーダで
ぱちぱちやる日課を
彼が忘れるはずはなかった
腰骨から先は針金で出来ていて
その先には花が咲き乱れている
蒼くて腐った物干し竿に
何を求めましょうや
それはひとりの甥であったが
そも人ではなく
火の粉を浴びた
羽虫のようなものでありました