指先を
ペンチでちぎってみた夜に

ロックは死んでいた
リリックは
血潮にのりあげ
吹き上げて

反抗も
抵抗する術も忘れてしまって
石のように
死んでいた

空々しい音楽が
砂漠のような
デジタル世界に
七色の虹を輝かせ
にぎわし
なまめかしな虚構の
ただなかで

混濁した妄想に
明滅する
オーバードーズしたご visonが
狂ったように
回転する

ロックは死んでいた
ペンチで小指をつぶしてみた時

もう
僕は、死んでいた