私はしがないコンビニバイトの店員で、バイトし始めて4ヶ月くらいのときにPさんと出会いました。
そのとき私は失恋したてで、仕事をさぼってはいないものの心は若干すさんでいました。
寂しくて、多分人と仲良くなりたかったんだと思います。
Pさんは夜に、仕事帰りらしいスーツ姿で炭酸を買っていく常連さんでした。
そのとき私は常連さんに「いつもありがとうございます」と言ってみることにチャレンジしていて、Pさんにも声をかけていました。
Pさんはちょっとした挨拶の「こんばんは」も「こんばんは」と返してくれる方で、そのときも「こちらこそ」と言ってくれたような気がします。
良い人だな、と思って、仲良くなりたいと思って気にするようになりました。

とある夜、台風が近くにきていて、暴風や強風が心配されていました。
帰りは大丈夫だろうかと思いながら坦々と仕事をしていると、Pさんがやってきました。
私は心配になって、お釣りを渡したあと、「台風なので、お気をつけて」と言いました。
Pさんは、「(私の苗字)さんもお気をつけて」と言って帰って行きました。

なんて良い人なんだろう、と私は思い、多分この頃からPさんが好きになっていたんだと思います。