私が欲しいのは人間の魂の真実だけだ。
破滅を前にしてもなお希望を失わぬその穢れなき強さだけが、
私に、私から去った愛と恩寵を信じさせる。

故にこそ私はただ人のみを愛し、どのような憎悪よりもなお愛のみが真実であると感じるのだ。
悪はそれが真実の悪であるほど私にその信仰を強めさせ、主の憐れみへと導く。
まことに、この世の悪にとっても、悪であるからこそ、彼にとって真実であるのは愛のみではないか?
なんと逆説的なことであろうか!