F へ
私の大切な恋を潰さないでください。
私にとって好きな人のことを思いえがき色んなことを考え、
その人と出逢えなければ気付かなかったことを拙い言葉に落とし込み、
世界を捉え直している今の時間は、本当に大切な、かけがえのない宝物のような時間なんです。
世の中、何が起きるか分かりません。私はあす、突然大きな病に倒れるかもしれません。事故に遭うかもしれません。
そうして、好きな人に二度と会えないままこの世を去ることになったとしても、
私は好きな人と逢えたから得られたこの幸せな時間を、
最期に見る走馬灯に映る面影とともに胸に抱き、死んでゆくことが出来ます。
それは、私にとってはけして不幸な最期ではないでしょう。

あなたの姿も言葉も、今の私にはもはや遠い遠いものです。
どんなに多くの言葉と時間を費やしてくださっても、私の心に響くことはもうありません。
同じ、恋をする人間として、気持ちに応えてもらえない悲しみは分かりますので、
ある程度のぶしつけな言葉や勘違いなどについては、見て見ぬふりをしてきましたが、
さすがに看過出来ない言葉ばかりになり、私の心はそれらを目にする度に傷付けられています。
私の言動を歪んだ見方、解釈でねじ曲げないでください。
私は、嫌なことは嫌といいます。嫌が、好きの裏返しであることは一切ありません。
私は、体の繋がりより心の繋がりを重視する人間です。
心の共鳴にこそ至福を感じる人間です。
そこに出逢いの意義を見出だす人間です。
だから、私と恋をするにあたって、身近にいる人間が有利ということにはけしてなりません。
会える人間で済ます、みたいな打算的な考えには全く共感できません。

悲しいのは、あなたは私が上に記した内容を、
また歪めて受け止めるのかもしれない、と想像されることです。
私の言葉を理解しようとしない、自分にいいようにいいように解釈する人間を、どうして私が愛せるでしょうか。
私の大切な宝物の時間、宝物の恋を、土足で踏みにじるあなたに恋をすることは、この先一生ありません。