共依存の二人は、自己愛の未熟な人間が多いと言われたり、パーソナリティ障害であるケースが多いと言われているが、これはアルコール依存症やアダルトチルドレン、それにパーソナリティ障害の精神病理から導かれたところが多い。
その理由として、共依存者も被共依存者も、他者の価値に依存する傾向が多いということが言われている。

例えば、アルコール依存症の家族では患者のアルコール依存を認めるような家族の傾向が認められ、それが患者のアルコール飲酒をさらに深める(イネーブリング)。
共依存者パートナーは、アルコール依存者が依存の直中にある時は精力的で強力であるが、患者がアルコールから回復すると逆に抑うつ状態に陥ったりする。

またアダルトチルドレンにおいては、両親が自分の評価のために子供を利用し、そのため子供は大人になっても両親からの自立に困難が生じるようになり、自分自身の力のみで自立ができないのである。
また、パーソナリティ障害においては、そもそもの親が子供に依存的なケースであることが多い。
アダルトチルドレンと同様、大人になると子供は他者に依存して、その他者に自分の要望を過度に期待するケースが見られる。

共依存の問題点は、被共依存者が回復する機会を失うことだけでなく、共依存に巻き込まれた者がストレスを抱え込み、精神的な異常を訴えたり、さらには関係性に悩み、自殺する場合もある。
よって、共依存を引き起こさないためには、医療関係者、専門家、援助者が、共依存を引き起こす者と接する場合には一定の距離を取り、個人的な関係にならないことが必要である。