どこから始めようか。

好きな人なんていなかった。最後に気が触れそうになるまで想ったのはいつだろうか?
そうだ、小学校の頃のあの子だ

思い出してみれば、かなり絶望的な環境だった。お互い中学が別々になって、駅で数回遭っただけなのに、僕はずっと彼女のことが好きだったっけ。

でも、あの恋は初めから負け試合だった。
あの子はしっかり者で、対して僕は不安になるほどに幼かった。僕にとってはお姉さん的な存在だった。

そして、彼女は学年一のイケメンと仲が良くて、一緒に帰ってたのを後ろから眺めてたよな。

そうだ、ずっと僕は弱かったんだ。
弱いってのが悔しくて、恥ずかしくて、強くなろうとずっとしてきた。

でも、あれは全て偽装でしかなかった。本質なんて変えられるわけないし、つまり今でも、そう今でも僕は弱い。

どんなに普通になろうとして、他人からどう自分が映っているか気にして振る舞っても、いつも最後は見下される。つまり、弱さを見抜かれる。

よく街にいるカップルを見て嫉妬する奴がいるだろう。あれがわからない。カップルに嫉妬するんじゃなくて、彼らのようになれない自分の弱さを恨んで、情けなくなるんじゃないのか?自分が強かったらそっち側の席に座ることができたんじゃないのか? 
まあ、彼らは正常なんだと思う。嫉妬できるってことは、自分に自信があるってとだから。

今の状況から抜け出したくて、色々な解決策を出してみても最後は弱い自分に行き着いてしまう。

何も考えていない人間になぜ自分はなれなかったのか?
自分について、味なんかとっくに無くなってんのに、数えきれない程に咀嚼して、産まれてきたことに今更絶望して

そりゃそうだよ。弱い人間だから。
自分のことについて考えなきゃいけないくらいに悩んで、結局は弱者っていう結論に至る。ここで強者っていう結論になる奴は、初めから悩まない。その前に現実が充実してるんだから。

俺の仲間なんているのか?こんなこと書いてるけど、多分俺は他人から見たら普通だろう。俺のことを知っている奴がこの文章を見たら、いや、つゆそんなことはありえだろう。
皆、心の中なんて見せやしない。