全道つなぐ要
新幹線が旭川まで伸びれば、札幌とは約30分、函館とも2時間弱で結ばれる。
内閣官房参与を務める藤井聡・京都大大学院工学研究科教授は昨年7月、
札幌の講演で「道外からの投資意欲も上がる。会社が引っ越してくる。
旭川、札幌、函館の三大都市圏が『プチ太平洋ベルト』になる」と延伸効果を力説した。
新幹線による地域活性化は、新たな意味も持ち始めた。外国人観光客の誘致拡大だ。
2016年度に道内を訪れた外国人客は前年度比10.6%の230万人超。JRの利用者も増えている。
旭川商工会議所の新谷龍一郎会頭は「旭川が札幌圏と道北、
道東をつなぐ要となる」と強調。旭川まで新幹線が延伸されれば、
道内各地との交流人口は格段に増えると期待する。

「旭川より先」の地域も関心を高める。宗谷本線活性化推進協議会は昨年12月、
道北地域活性化に向けた提案の1つとして、新幹線の旭川延伸を明記。
会長の加藤剛士名寄市長は「(宗谷線などの)鉄路を生かすためにも、
いま一度、延伸を強く訴えていかねばならない」。新幹線延伸が地域振興の
起爆剤になるとの思いを強くしている。2018年は道北初の鉄道、
北海道庁鉄道部上川線(現JR函館線)の空知太(現砂川市)ー旭川間が開業して120年となる。
JR北海道が、道北を走る大半の路線を見直し対象に掲げる中、
鉄道について、ひたすら前向きに考えてみた。