ヒント
赤字の北海道新幹線 敦賀〜大阪への悪影響懸念

 JR北海道が2018年3月期の連結決算で、過去最大となる416億5300万円の営業赤字を計上した。
このうち北海道新幹線の営業赤字は100億円と、前期比で2倍近くに増え、経営の足を引っ張った。開業効果が一巡し、利用者数が前年比で21%落ち込み、収入も23%減ったという。
 北陸新幹線の3年目の利用実績が前年と同水準を維持しているのと比べると、北海道新幹線の不振は際立って見える。この巨額赤字は新幹線整備計画全体に悪影響を及ぼすのではないか。
 国の財政の在り方を検討する財務省の「財政制度分科会」は先月、北海道新幹線について「このまま赤字が続けば、JR北海道の経営状況を一層悪化させ、地域交通の維持にも影響が出かねない」と、辛口の事業評価をした。
財務省は今後、北海道新幹線の赤字を理由に整備新幹線予算を出し渋る可能性がある。以前から整備新幹線に批判的な中央メディアが勢いづく懸念も拭えない。
 
 北海道新幹線札幌開業後の31年春着工、46年春開業を想定している敦賀〜大阪より先になっているのは認めがたい。北陸新幹線は採算性に優れ、東海道新幹線の代替機能を持つ。優先順位は明らかに北陸新幹線が上だろう。

http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm