世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第270回 新幹線の夢
https://news.nifty.com/article/domestic/jitsuwa/12151-030129/

さて、「北海道新幹線」の札幌駅の位置が、ようやく決まったとの報道が流れた。
北海道新幹線の札幌延伸は、'30年度開業予定で、ルートは新函館北斗から長万部、倶知安、小樽を経て札幌に至る北回りだ。
室蘭、苫小牧経由の南回りルートも「基本計画」はあるが、整備計画化されていない。 理由は、有珠山があるため、噴火の状況が懸念されているためだ。

とはいえ、札幌-千歳間、あるいは札幌-千歳-苫小牧間であれば、有珠山は関係ない。
特に新千歳空港まで北海道新幹線が延伸されると、効果は大きい。
現状、北海道の玄関口である新千歳空港駅から札幌駅まで、列車で50分強はかかってしまう。
札幌と千歳間は距離が約40キロメートルであるため、新幹線が開通すれば15分(!)程度に短縮される。

しかも、航空便で新千歳空港に降り立ち、新幹線に乗れば、乗り換えなしで札幌、小樽、倶知安に行ける。
倶知安まで、現在は車で2時間以上かかるが、新幹線なら「35分」となる。
そして、倶知安まで行けば、ニセコは目の前だ。
「何を夢みたいなことを」と、思われたかも知れないが、過去の日本の先人たちがこの種の「夢」を抱き、投資を蓄積してくれたからこそ、現在のわれわれの生活があるのだ。

4月18日、九州新幹線長崎ルート「新鳥栖-武雄温泉」の整備について、JR九州の青柳俊彦社長が与党検討委員会に出席。
「全線フル規格での整備を」と要請した。
フル規格で新幹線を建設した場合、長崎-博多間が約51分に短縮される。
佐賀-博多間が約20分(!)。
まさに、世界が変わる。

この種の「夢」を忘れ、多くの日本国民が将来のための投資を疎かにしていては、未来の日本の繁栄はない。
「夢」を取り戻し「必要なインフラには投資する」という、当たり前の姿勢を取り戻す必要があると思うのだ。