ワークライフバランスは警察の課題

 警察官のなかで職場結婚が多いことは知られている。職場で生涯の伴侶がみつかることは喜ばしいことだが、それはあまりプライベートの時間が取れなかったり、私生活の規律に過度の制限がかかったりしていることの裏返しでもある。

 ワークライフバランスは現在、警察が組織を挙げて取り組んでいる課題のひとつではあるが、残業時間の削減にしても、実際は勤務した残業時間を勤務表に付けないだけのサービス残業も現場ではまだまだ見られ、道半ばだ。

 元々の規範意識の欠如は指摘するまでもないが、プライベートな時間が十分にとれていたら、果たして兵庫県警の男女は不倫場所に交番を選んだだろうか。勤務時間を選んだだろうか。

 不祥事の削減には規範意識の改革が肝であることに変わりはない。だからこそ、懲戒処分者数は2012年にピークを迎えたのを最後に減少に転じたのだと信じたい。ただ、女性登用、ワークライフバランスなどの施策がかけ声重視、実態軽視で進めば、歪みはたまる。
その歪みをできるだけ少なくすることも、不祥事削減、ひいては警察組織の強化に資するはずだ。