リニア 水野和夫・法政大教授に聞く
2020年6月23日 05時00分 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/76910
>東京−名古屋間を四十分、東京−大阪間を六十七分で結ぶリニア中央新幹線。
金利ゼロ時代に成長を追うことに否定的で、資本主義の終焉(しゅうえん)を問うてきた経済学者、
水野和夫法政大教授(66)の目に、どう映るのか。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界的な経済停滞に直面する今、その考えを聞いた。<
>−リニアは安倍政権の成長戦略の一環だ。
 「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクスは大失敗だ。
 もとから成長戦略はつくれない状態だった。
−成長を追い求めてはいけない。
 食品、衣料品、住宅など供給力は余っている。作っては捨てている状態。
 エネルギーを無駄に消費することが温暖化を招く。
 無駄なことはやめるべきだということ。
−リニアの必要性をどう考えるか。
 二〇〇〇年代初めに(英仏が共同開発し、〇〇年に墜落事故を起こした)
 超音速旅客機コンコルドが運航停止となった。
 「より速く」という価値観を求める時代が終わった象徴だ。
 リニアにより東京−名古屋−大阪を結び、(人、モノ、金を集めて国全体の成長につなげる)
 スーパーメガリージョン(巨大都市圏)を形成するという考え方は時代遅れ。
 人口二百万〜三百万人単位で地域を分散させ、工業や農業、エネルギーも
 各経済圏で完結、自立させるべきだ。
続く