リニア中央新幹線に「ちゃぶ台返し」はありうるか?
『超電導リニアの不都合な真実』川辺謙一著

>◆JR東海は、もうリニアを諦めている?
 2027年に品川-名古屋間の開業を目指して建設が進められている「リニア中央新幹線」は、
 超電導リニア方式の車両が走ることが前提となっています。
 しかし、その超電導リニアモーターカーの技術がまだ完成していないとしたら、どうでしょうか? 
 超電導磁石をめぐる課題から、知れば不安になるほど複雑な走行原理、
 さらには車内にトイレの設置がむずかしいという問題まで、
 超電導リニアには未解決の技術的課題が山積しており、
 商業的に運用できるレベルにはまだ技術が達していない――。これが本書の結論です。
 ほとんど知られていませんが、JR東海は、こうなることをずっと前から危惧し、
 ひそかにその対策を講じてきました。
 実は、中央新幹線は、超電導リニア方式が頓挫した場合には、
 従来型新幹線方式(普通の車輪がある新幹線)でも開業できるように設計され、
 現在も建設が進んでいるのです。
 今、リニア中央新幹線は大井川の水源問題でトンネル着工が遅れたことが、
 大きな注目を集めています。しかし、この大井川の問題がなかったとしても、
 リニア中央新幹線はそもそも大きな技術的問題を抱えており、
 JR東海自身が以前から危惧していたほど、実現が危ういプロジェクトなのです。<
続く