【正論・産経新聞】資本主義や自由経済を否定する西田はアホ。社会主義者はお似合いの共産党にさっさといけ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130312/plc13031203450001-n1.htm

《守りで谷底に安住するのか》

 資本主義、自由経済の下、日本は貿易で食っている。資本主義は比較優位の産業が生き残り、世
界中の人々が最良の品を受け取れるシステムである。比較優位が進行する段階では、ある産業が一
気に死にかねないから、猶予を与えるため関税化の手段がある。

 自民党の西田昌司参議院議員はテレビや雑誌で強烈なTPP交渉参加反対論をぶっている。その
主張を突き詰めると、比較優位を進める資本主義の論理はすでに破綻したというもののようだ。

 電機、自動車、半導体など、成長期の日本を支えていた産業が、生産コストの安い中国や東南ア
ジアに移転し、日本列島は空洞化しつつある。西田氏は日本の資本が外国で稼いでも日本の中の雇
用は失われるから、TPPなどには入らない方がよい、農業も医療も滅亡してしまう、と言う。こ
の考え方の裏には、アメリカに一方的に日本の利益を吸い取られるという被害妄想も見え隠れする。

グローバル化の中で、世界の人が恩恵を受けているのはまぎれもない。問題は公平に平等に行き渡
らないことであって、資本主義経済が行き詰まったのではない。国際経済の中で日本だけ足を止め
たらどうなるか。日本のみで自給自足することができないのはもちろん、農業も医療も“鎖国”で
守ることはできないのである。

 ここ20年ほど、日本は失うことを恐れるあまり守りの経済に入っていた。FTA(自由貿易協
定)やEPA(経済連携協定)の締結数が先進国でも特に少ないのが、その証拠だ。規制撤廃や構
造改革をやれば、その産業は活性化するというのが戦後の経験則だった。だが、悪化を恐れて政治
も行政も立ち止まるようになった。守りに入ると、上を見ない。視線がどんどん下がって行き、谷
底での安住の術を考えるようになる。