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著者のつくったオンライン通販会社はアマゾンによって息の根を止められたという。著者が投資を行い、経営改革に乗り出したニューヨークタイムズ社のコンテンツはグーグルによって一瞬にして検索結果の奥底(下位)へと飛ばされた。四騎士たちGAFAを語るには、ギャロウェイ氏ほどうってつけの人間もなかなかいないだろう。

本書は、神にも擬せられるほどの力を持つようになったGAFAについての力作だ。その歴史とビジネスモデルを詳細に分析し、GAFAが支配する世界で企業はどうすべきか、個人はどう学び、どういうキャリアを目指すべきかを語っている。GAFA以後の世界について学ぶことは、現代人の必修科目だと著者は言う。

著者はMBAの2年生になった学生たちに、そんな講義を行っているようだ。

GAFAは私たちの生活のインフラのようなものとなり、私たちのGAFAへの依存度は高まる一方だ。彼らは私たちにメリットだけをもたらしてくれるわけではない。

私たちは、GAFAに対して、「善良でないと知りつつ、最もプライベートな領域への侵入を無防備に許している」のだ。それも、GAFAが持つ圧倒的なパワーゆえだろう。

著者はアマゾンをロボティクスで武装した倉庫付きの検索エンジン、そして地球上最大の店舗ととらえる。買い物をするとき、人はグーグルでなく、アマゾンで検索をするようになっている。そしてアマゾンは、そのストーリーテリングの上手さから、安い資本を長期的に手に入れていると指摘する。

グーグルに至っては、「現代人の神であり、我々の知識の源である」として、歴史上、ここまで世界中のあらゆる問いかけがなされた権威は存在しなかったと言う。検索エンジンに入力される質問は1日に約35億。その6つに1つは、それまで誰も問いかけることのなかった問いだそうだ。グーグルは、それほどの「信頼」を一身に受けているということだ。