大企業の労働者の使い方は分割して統治せよに従っていて、直接雇用はせず大抵多くの派遣会
社を同時に使っている。雇用側がお客様などといった立場になる事で本来はパワハラや解雇と
いって禁止されていたものが、クレームや下請け会社選びといった当然の権利となってしまっ
た。例えば労働者がとにかく気に入らなくなったら、その孤立している労働者をお客からのク
レームと称して派遣会社とも結託して実際はいじめや過重労働を強いて自己都合退職にほぼほ
ぼ持っていけるし、もし派遣会社が労働者を辞めさせられなかったら派遣会社ごと契約を切っ
てまた新しい会社と契約を結ぶこともできる。以前は希望退職者を募って割り増しの退職金を
払っても大量解雇と世間から道義的責任を問われ社会問題になる程の事が、会社の景気が良い
時でさえもノーマネーノーリスクで合法的に出来るようになってしまった。この非正規雇用の
在り方が、下請け企業への取引単価の引き下げ問題と並んで、需給ギャップによる失われた2
0年や貧困の増加、出生率の低迷に大きく関わっている部分だと思う。その一方で大企業は役
員報酬や株主配当を増やしながらも内部留保を350兆円にまで増やしているのだから業界ご
とに差はあるだろうが基本的には労働者や下請けからお金を巻き上げ過ぎているといえるだろ
う。つまり日本の景気を良くするというかそれ以前の衰退を止めるには、簡単に実質解雇され
ないための直接雇用の正社員化と労働環境について労働三権を使って経営者と対等な立場で交
渉できる労働組合への参加の2点が、大多数の労働者にとって最低限必要だと思う。