人手不足でも賃金が上昇しない最悪の状況

安倍政権が発足して以来ずっと実質賃金のマイナスが続いています。
しかも、日本の場合は「全体」の数字以上に実態が悪いという「おまけ」つきです。
例えば、現金給与総額は0.4%の減少となっていますが、正規雇用の現金給与は0.6%減少し、
非正規(パート)のそれは1.9%も減少しています。
両者のウェイトから平均をとると、1.1%程度の減少というのが実態です。
これは名目ですが、実質賃金の実態は1.5%程度の減少と見られます。
ところが、全体で名目0.4%、実質0.8%の減少と、実態より高めの数字になった理由は、
給与水準の高い「正規雇用」の割合が昨年より高まり、それだけ「平均値」が高めになったことによります。
パートが正規雇用に転換して給与が増えたなら意味がありますが、
1人ひとりの労働者からすれば、賃金は名目で1.1%、実質で1.5%減少した、というのが実態です。