つまり、フェラーズは、戦争責任
――厳密にいえばアメリカに対する戦争責任――の全てを東条に押しつけることによって、
天皇の免責をはかることを示唆するとともに、
天皇が「シロ」であることを、日本側で「論証」してくれるように要望したのである。
このフェラーズの示唆に対して米内は
「全く同感です。東条・嶋田に全責任をとらすことが、陛下を無罪にするための最善の方法と思います。
しかして嶋田に関する限り、全責任をとる覚悟でおることは自分は確信しておる」と応じている。