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「正論」2020年7月号
教科書検定制度への誤解に基づく正論編集部の「つくる会」批判に反論する  
新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
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 正論編集部がなぜこのような地点まで突如として変貌してしまったのか、その理由はわからない。だが、
その言い分は文科省の官僚の言い分とピッタリ重なっていることだけは確かだ。正論編集部は、こんなことを
書いている。
 【目に留まるのは、今回欠陥とされたうち、前回の検定で欠陥と指摘され、適切な記述に修正し合格したもの
を今回、元に戻して申請していた箇所が四十程度に及んだ―という点である。そこで「同じ轍を踏む」ことなく
「欠陥」とされなければ、自由社版は合格した可能性が高いのである。】
 これはまさに、文科官僚が与党の国会議員に盛大に触れ回っていることである。どうしてそれがわかるかと
いうと、「つくる会」は「一発不合格」を食らった後、その不当性を、十数人の国会議員に面会して訴えてきたの
だが、その過程で、議員から文科省の「反論」を間接的に聞かされてきたからである。正論編集部の右の書き方
は、ほとんど文科官僚の言い訳の口写しである。一体、誰からこの話を聞いたのか、明らかにしていただきたい。
 右に引用した「四十」箇所に関連して、文科官僚が重大な発言をしていることがわかっている事実を指摘して
おく。文科省の丸山洋司初等中等教育局長は、「十一月五日の検定結果の申し渡しの日に、『問題の四十箇所
を直せば年度内に再修正させてやる』と持ちかけたが、執筆者側は頑なにこれを拒否したから、不合格になった」
という趣旨のことを語っている。
 制度上、そのようなことは出来るはずもなく、事実としても、当然ながら文科省側からはそのような話は一切
なかった。簡単に言えば、これは完全なデマである。初等中等教育局長はこのようなデマを流した責任を取ら
なければならない。

(続く)