で、三島由紀夫は丁度1970年の7月7日、
産経新聞で『果たし得ていない約束』という短いエッセイを書いているんですよ。
ここに、彼はこう書いています。ちょっと長いですけれど、

《私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。
このまま行ったら「日本」はなくなってしまうのではないか、という感を日ましに深くする。
日本はなくなって、その代わりに、無機的な、空っぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目ない、
或る経済的大国が東洋の一角に残るであろう。
それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである》

これやっぱりあの鋭い文学者が、時代の変化、時代が何処へ行くのかをこう読み取って
言葉にした文章かな、と思いますが、
この言葉が凄く象徴的、こっから何かこう舞台が次のステージに変わって行った、
それがいいのか悪いのか分りませんが…