正義論で有名となったマイケル・サンデルが『公共哲学』という著書の中で、
社会改革者であるジェーン・アダムズの言葉を引用し、
相互依存に関連して以下のように述べてます。

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「理屈の上では、『分業』によって人々は相互依存をいっそう深め、いっそう人間らしくする。一貫した目的の達成へ向けて結束するからだ」
だが、この一貫した目的が達成されるかどうかは、当事者が自らの共同プロジェクトに誇りを持ち、それを自分自身の問題と考えるかどうかに掛かってる。
「相互依存という機械的なプロジェクトがあるだけでは、結局は何も生まれない」のである。
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以上の主張は国内社会における状況において、述べたものですが、これは国際社会でも同じだと思いますね。
日本の国益は、国際社会における安定の中にある。それは相対的に中国と比べれば、アメリカの認識と似通った、
国際法に準じた相互依存の結果に依るものだ。
しかし、そうした国際社会の安定に対して、当事者意識としての誇りを持ち、自分自身の問題と考えることができなければ、
そこからは、何も生まれない。

憲法9条教が思い描く、一国平和主義のような考え方は、それこそ日本の国益を損ねる幻想でしかない。