「ここにいる10人全員が、お小遣いをもらっているという根拠を挙げなさい」

・・・・・・と言われて、「10人のお小遣いの合計額は、10000円です」と答えた人がいます。
ここからいったい、何がわかるのでしょうか? 合計額10000円の内訳は、たとえば以下のようなパターンが考えられます。

A( 1000,1000,1000,1000,1000,1000,1000,1000,1000,1000 )
B( 1200,800,600,1400,1500,500,200,1800,1100,900 )
C( 10000,0,0,0,0,0,0,0,0,0 )
D( 50000,500,0,0,0,0,0,0,0,0 )
E( 5000,3000,2000,0,0,0,0,0,0,0 )

組み合わせはいくらでも作れるんですが、これぐらいにしときましょう。
AやBであらば、「全員がもらっている」と言えますが、CDEでは「全員がもらっている」とはとても言えませんね。

「10000円」という数値を見ただけは、A〜Eうちのどれなのか、あるいは他の組み合わせなのか、
もらってる人ともらってない人と、どちらが多いのか、そういったことがまったくわからないのです。

さて、ここで問題です。

「10人のお小遣いの合計額は、10000円です」は、「ここにいる10人全員が、お小遣いをもらっているという根拠」になりますか?

な る わ け あ り ま せ ん ね 。 そ れ 以 上 の こ と が 何 も わ か ら な い ん だ か ら 。

「どの会社も歓迎会をやってる」の根拠として「複数の会社の接待費の合計金額」を挙げるのも、これとまったく同じレヴェルなのです。

「理論的に根拠になり得ないモノ」を持ってきて
「俺は根拠を示したぞ、それを根拠と認めるか認めないかを決めるのはお前の主観だ!」などという言い分が
世間で通用すると、本気で思っているのでしょうか?