企業の内部留保増加は問題か 有価証券への投資拡大が実態 雇用改善でおのずと解決する
http://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/180907/soc1809070006-s1.html

 内部留保はどこにいったかといえば、株式、公社債などの投資その他の資産である。
投資その他の資産の資産合計に対する比率は14・8%から25・4%へと10・6ポイント増加しているが、利益剰余金の比率の10・6ポイントの増加と推移がパラレルになっている。

 00年度からのこれらの動きをみると、企業は設備投資をせずに金融機関からの借り入れを返済してきたが、企業収益が上がると有価証券等への投資をしてきたことがわかる。

 最近、企業の内部留保が増加している理由は、いうまでもなくアベノミクスによって企業収益が好調だからだ。
企業収益が不調よりも好調のほうがいいに決まっている。これを問題だという人は、その企業収益が労働者に分配されていないということだろう。

 アベノミクスで失業率は下限まで近づいてきたので、最近は賃金も上昇し始めている。今のマクロ経済政策をさらに強化すれば、有価証券への投資が人への投資となり、賃金が本格的に上昇し始めるだろう。
と同時に、企業環境が好調であれば、有価証券投資よりも自社の設備投資のほうが収益が良くなるので、流れが転換するだろう。

 このような意味で、内部留保の増加はことさら問題視する必要はなく、おのずと解決されるべき現象なのだ。