「スイス電信電話=PTTに有罪判決 SEXテレフォンに断」 (1)  93.11.21 世界日報

スイス版Q2とも言うべき 「セックステレフォン」 を流していた郵便電信電話公社(PTT)の
総裁に対し、93年11月1日ローザンヌ地裁は有罪判決を下した。

有罪判決を受けたのは、国内電話事業を独占管理するPTTのローゼン・ベルグ総裁で、
罪状はわいせつ公開の共犯ということで、禁固二ヶ月(執行猶予付き)、罰金2万スイス
フラン(約140万円)の判決を言い渡された。

ローゼンベルグ総裁はこの判決を不服とし、判決の言い渡された5日後に高裁へ控訴した。

この「セックステレフォン」とは、1991年からPTTが開始した料金代行徴収サービスを利用し
て、セックス産業の業者が行っていたビジネスで、利用者が特定の番号に電話すると、わい
せつな内容の録音されたテープが流されたり、実際に相手と性的な刺激のある話ができたり、
時にはグループで利用したりもできる。

さらにフランスなどにも普及しているミニテル(家庭や事務所普及している電電公社が配給す
る小型コンピューター)を利用して、売春行為などを行うものだ。内容は多岐にわたり、同性愛
専用や、特殊な性遊戯を楽しむ趣味のある者のためのダイヤルまで用意されている。

スイスではこれまで、このようなセックス・サービスに対し、ハード(動物との性交渉)などの分野
は電波に乗せることを禁じてきたが、ソフト(人間同士の性交渉)に関しては16才以下の子供が
触れる可能性がなければ、写真や文字媒体、映像や電波媒体から流されることは許可されてきた。

今回、争点になったのは、この16才以下の子供が触れる可能性があるテレフォン・サービスを
スイス電信電話公社が許容していた、という事実だ。

本来この料金代行システムによるサービスは、法や経営相談、健康相談などのコンサルタント・
サービスに使用されていたが、半年もたたないうちにセックス業者の独占的使用に変わってきた。
「156番」というもので、特にこの手のサービスが多くなり、他の健全なサービス機関が使用で
きなくなった。さらにその勢いは収まらず「157番」は言わば、セックス専用ダイヤルと言われ、
さらに評判を呼んだ。