「スイス電信電話=PTTに有罪判決 SEXテレフォンに断」(2) 93.11.21 世界日報

このような事態に対し、まず 「レアジール」、「ヒューマン・ムーブメント」 といった、
特に社会における性のモラルを監視する私設委員会が電話のセックス・サービス企業を
相手取って92年当初から、多くの裁判を起こした。

それをきっかけにマスコミがこのことを取り上げるようにようになり、
多くの多くの人々がこのことに関心を持つようになった。

業者は名前を変えながら事業をを継続してきたが、実際にはこのような電話によるサー
ビスの特徴である、完全な秘密保持等がマスコミによって業界が社会に晒されることに
よって、利用者が気後れがしたりして、退潮ぎみになっていた。

そして今回の裁判での判決は業者に大きな損害を与えた。
一般国民の意見は現在大きく二つに別れている。一つは未成年者への悪影響の防止
が完全ならば存続させてもいい、という意見。

もう一つは、PTTの性格上通話の内容に関して政府や法が介入するのは違法として、
従来通りのサービスを存続すべきというものだ。

しかし実際には未成年者への悪影響を懸念する意見が圧倒的で、
この判決は国民の支持を受けていることだけは確かだ。

PTTはこれまで、この 「セックステレフォン」 で莫大な利益を得てきた。
ローゼンベルグ総裁の控訴の理由は、あくまで 「回線を提供するだけで、
内容には関知しない] という一審での主張を維持することにある。

しかし完全な公共機関がセックス産業に場を提供、未成年に対する悪影響の防止策を
なんら講ずることなく、さらに大きな利益を得ていた、という事実からは、今後国民の
支持を受けていくことは困難と思われる。