年金に携わってきた厚生労働省の役人たちは当たり前だが、年金制度を熟知している。
今回の調査で分かったのは、彼らがいかに制度の盲点をつき、国民の年金掛金を食い潰そうとしてきたかである。 
 年金の受給額を下げたり、掛金を上げて、国民にツケを回す前に、まず腐った年金官僚とOBを排除すべきだ。 天下り先の濫造が"年金危機"を招いた。
サラリーマンや自営業者が加入する厚生年金や国民年金は、もはや安心して老後を託せる制度ではなくなりつつある。 
 5年に一度の年金法改正のたびに、約束されていたはずの年金支給額は減額されていく一方だからだ。
1999年の改正では、厚生年金の給付額(報酬比例部分)を5%カットしたうえ、60歳から受け取れるはずの年金を段階的に65歳まで引き上げている。
その結果、現在、42歳以下(1961年4月2日生まれ以降の男性)のサラリーマンは、改正前と比較して試算値で1749万円も受け取れる年金額が減額されてしまった。 
 さらに来年に予定されている改正では、すでに年金生活に入っている老人への支給額の切り下げを断行する構えだ。
加えて、現役サラリーマンの年金掛金まで引き上げようとしているのである。 これで、どうして老後のセーフティーネット(安全網)として、厚生年金や国民年金を信じることができるのか。