政府鳴り物入りで進めていた原発輸出は失敗続きだ。
政府や三菱重工などの官民連合で進めていたトルコの原子力発電所の建設計画は断念することになった。

安全基準の強化を受けた事業費の高騰で、原発は採算をとるのが極めて難しくなっている。安全基準を遵守していては採算が合わないのだ。
経団連を引き連れての俯瞰する外交は破綻を来たしている。

その経団連会長で日立製作所会長を務める中西宏明は、日立が英国で進めてきた原発建設計画が暗礁に乗り上げていることを認めた。
こちらも原発の安全対策で事業費が膨らむなど、事業の採算性に疑問符が付いている。
日本と原子力協定を結んで売り込んだ国はベトナム、リトアニア、台湾、カザフスタン、ヨルダン、UAE、インド。どれも話が進んでいるとは言い難い。

安倍政権は原発輸出をアベノミクスの成長戦略と位置付けていたが、脱原発の世界の潮流とも完全に逆行している。
問題はこれを「失敗」と認めず交渉途中と言い張るところだ。

「首相がトランプ大統領に売り込んでいた、官民ファンドで進めJR東海の子会社が主導するテキサス新幹線構想。これも進んでいない」(財界関係者)。
JR東海といえば、安倍の大恩人、葛西敬之が名誉会長に君臨するオトモダチ企業だ。
官民は結構だが、税金投入しての失敗は、それ相応の責任が生ずるもの。
だが、この政権は誰一人として責任を取った試しがない。