ファーウェイCFOの逮捕を巡って、全面対決する米中関係だが、中国に“変化”の兆しが。
中国指導部は、去年12月の米中首脳会談の直前に「米国とは「対抗せず冷戦せず」の柔軟姿勢で臨む新方針を決めたという。
背景には『中国には全面的に対抗する力はない』とする習近平主席の認識がある。
去年夏には「対米主戦論」が支配的だったが、ケ小平の「韜光養晦」(能あるタカは爪を隠す)論が息を吹き返した。
「北朝鮮との関係強化を進めるが、一方で、貿易摩擦を抱えるアメリカとの関係を悪化させたくない」

●「対抗せず、冷戦せず…」
新路線は、米国とは「対抗せず、冷戦せず、漸進的に開放し、国家の核心利益は譲歩しない」の4点だ。
中国語で21文字からなるため、「21字方針」と呼ばれる。
●「西側体制に対抗する秩序はつくらない」
アメリカの華字メディア「多維新聞」は、「中国が『目には目、歯には歯』の対米強硬策を採れば、
米国とその同盟国からの圧力にさらされる。これを習指導部は「中国の大きな災禍になる」と考えている」と説明する。
「中国は、米国を主とする西側体制に対抗して現存の世界秩序と違う別の秩序を打ち立てることはできない」
との認識から「中国は、現行秩序の既得権益者の警戒を引き起こさない配慮が必要だ」とみている、と言う。
「米国か中国か」という二項対立に引きずり込む新冷戦思考は回避したいのだ。
(2019/01/16 BUSINESS INSIDER)