外務事務次官経験者の元外交官「表面的に見ると、情けなく思えるかも。だが実は、明治維新以降150年間、日本外交は、ぶれていない。
常にそのときの世界の最強国に付き従ってきたということ。20世紀初頭には、大英帝国と。ドイツが最強になるとドイツに付いた。
そして第2次大戦後は、一貫してアメリカに付いている。
日本が自ら超大国になることは不可能だ。アメリカにどんな特異な大統領が出ようが、アメリカが世界の最強国に変わりないのだから、
それに付き従うのが、日本外交の最良の道ということになる」

日本は急速に、活力を失いつつある。東京に活気があるのは、オリンピック関連の建設ラッシュや、3千万人の外国人観光客による恩恵だ。
今回のトランプ大統領の来日を見ていると、安倍首相のパフォーマンスは抜群だ。

安倍政治の神髄は、外交面も経済面も、抜群の「やってる感」にある。
この「やってる感」が時代にフィットして、政権発足から6年半が過ぎても、高い内閣支持率をキープしているのだろう。
5月中旬の安倍内閣の支持率は、日経55%、NHK48%、時事44.7%、毎日43%…と、いずれも及第点だ。
あと半年続けば、明治以降の歴代政権で、首相在任日数が過去最長となる。

世界の先進諸国の政治的混乱の中で、日本政治の安定度は、相対的に見て際立っている。
他国がひどいだけにも思えるが、「日本の安倍首相はすごい」という評価になっている。 (2019/5/28 現代ビジネスより)