■ カルテ1ページで1万円!? 精神科の高すぎる「情報開示料金」を問う

耳を疑うほどの高額料金

自分の病状や受けている治療内容について、医師の説明に納得できない時は、
カルテ開示を行うのがお勧めだ。だが、その料金は医療機関ごとの差が激しく、
数百円の実費程度しか取らない病院もあれば、数千円の手数料を上乗せする病院もある。

開示料金が高額な病院に対しては、以前から「患者の知る権利を妨げている」などの
厳しい指摘があり、それを受けて手数料を値下げする医療機関もみられるようになった。

ところが先日、私は法外な開示料金を設けている病院に出くわした。カルテ1ページ
のコピー代が、500円(税別)だというのだ。コピー用紙が高級手すき和紙なのかと思
うほどの値段だが、さらにコピー枚数に関係なく「手数料」として基本料金1万円(税
別)が上乗せされる。

つまり、カルテ1ページのコピーだけで1万500円(税別)取られるのである。

患者の知る権利や社会の趨勢などどこ吹く風で、我が道を行く超高額料金を設定して
いるのは、東京都八王子市の緑雲会多摩病院。ベッド数332床の民間精神科病院だ。

精神科の医療訴訟を多く手掛けてきた弁護士の佐々木信夫さんも、この料金には「耳
を疑う」と驚き、こう語る。

「基本料金が3000円や5000円、コピー代が1枚50円や100円といった高額料金は、社会
の目が届きにくい精神科病院では珍しくありません。ですが、ここまで高いのは聞い
たことがない」 NO,2へつづく