旧仮名氏が言いたいことは〈人間の復活〉なのです
かつてニュートン力学が叡智を極め
もはや物理学には黒体輻射問題とエーテル問題の二問題しか存在しないかと思われ
20世紀には究極的には脳細胞をも形作る原子の振る舞いを完全に記述でき
人間の思考活動、感情も方程式で解けるかと思われた。 唯物論のバックボーンです
その先には人間の疎外が予想されたわけです

しかしその二つの問題の解決に向かうにあたり
巨大な、それまでのニュートン力学をも包括する
量子力学の発見に行き当たってしまうのです

その発見に多大の貢献を果たしたドイツの物理学者ハイゼンベルクは
不確定性原理というものを発見し
人間の知覚精神活動がその実験観察に影響を及ぼし
方程式の解を変えてしまうと言う根本的な構造を指し示しました

人間の精神活動は唯物論に埋没するものでは無いという理解です