化けの皮がはがれたアベノミクスは泥沼
   ダイアモンドオンライン

2013年4月に始まったアベノミクスは、インフレターゲット政策に基づいて「2年」で「2%の物価目標」実現を掲げながら、
(2年間ならいざしらず)目標を達成できないまま7年間も「大規模金融緩和」を続けてきた。
賃金抑制で消費が盛り上がらないなかで、日銀が国内金融機関に資金を供給しても融資先がなくなり、
国内では、日銀はETFを購入し、GPIFも加わって、意図的な株価つり上げを行ってきた。
誰もがこのままでは衰退が加速していくことにうすうす気づいていながら、
行くところまで行くしかないと現実を見ないようにする。
ぬるま湯の心地よさに浸かりながら、「我が亡き後に洪水よ来たれ」とばかり、
「今だけ 金だけ 自分だけ」という刹那主義が進行してきた。
そこへ、新型コロナウイルス大流行に伴う世界的なバブル崩壊が襲ってきた。

● 金融政策は「伸びきったゴム」 売るに売れない株を持ち続ける日銀

だが今回のバブル崩壊は、これまで以上に厳しい状況だ。
アベノミクスで7年間も異常な金融緩和政策を続けてきたために、
伸びきったゴムの状態になってしまい、中央銀行としての政策余地が狭くなっていることだ。
政策金利はマイナス金利まで下がり、
これ以上、金利を引き下げれば、利ざや縮小に陥っている地域金融機関の経営困難が深まる。
原油安が長引いた場合、米国のシェールオイル企業の経営を悪化させる。
それは、ハイリスクハイリターンのシェールオイル企業の債券が組み込まれた
CLO(ローン担保証券)が破綻を招く危険性を強める。
日銀は大規模金融緩和とともにETFの買い取り額を拡大させてきた。
今や総額は30兆円を超え、日本の株価総額の5%弱を占めるようになっている。
売ればたちまち暴落するために、売るに売れない株を買い続けることになる。
そして今回の株価暴落で日銀自身がバランスシートに打撃を受けることになっている。
日銀が信用を保つには引当金を積まなければならない。
含み損を抱える一方で、売れば株価がさらに下がる。
日銀の株買いも国債購入と同様に「出口なきねずみ講」に陥っている。    
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