ではここから、楽しい楽しい確率の時間です。

「共産主義と、天皇制の廃止」を掲げる政党があったとしましょう。その政策を見た人が、
「共産主義」に惹かれる確率をA、「天皇制の廃止」に惹かれる確率をBとしましょう。

このとき、「共産主義」と「天皇制廃止」の両方に惹かれる確率は、A×B で表せます。

ここで、小学生にもわかる算数の登場です。
正の数において、「1よりも小さい数」どうしを掛け算すれば、その数値は元の数値よりも小さくなるのです。
0.5 と 0.9 の積は、0.5 と 0.9、そのどちらよりも小さい値である 0.45 になるのです。「必ず」です。

この算数を踏まえて考えますと、AとかBとかは「確率」を表す数値なので、「1よりも小さい数」ですね。
「共産主義」と「天皇制廃止」の両方に惹かれる確率である A×B は、「1よりも小さい数どうしの掛け算」なのです。
ということは、A×B の値はAやBよりも小さい数になるのです。「必ず」です。

しかも、AもBもかなり小さい数値ですよね。大きければ、共産党の支持率はもっと高いはずですから。
つまり、「共産主義だけに惹かれる確率」や「廃止論だけに惹かれる確率」と比べると、
「廃止論と共産主義、両方に惹かれる確率」は、かなり小さいモノになるわけです。

この論は「完全白紙」の状態の人が初めて「共産主義と、天皇制の廃止」を掲げる政党に会ったときの話であって、
「その党に出会う前から共産主義が好き」「その党に出会う前から廃止論者」という人は考慮されていないのですが、

「 2 つ の 条 件 を 同 時 に 満 た す 確 率 は 、 ど ち ら か 1 つ だ け を 満 た す 確 率 よ り も 小 さ い 」

・・・・・・という「数学的事実」は、キチンと覚えて、踏まえておきましょうね。
中学生でも理解できることですので、ここにいる人ならすでに理解できているとは思いますが、念のため。