https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/87429.html
NHK
2022年8月9日特集記事
「教会の指示で選挙手伝った」元信者証言 旧統一教会と政治家

元信者の“宗教2世”「選挙活動手伝った」
取材に応じたのは、容疑者と同じ“宗教2世”で、元信者の30代の男性。現在、東京都内に住んでいる。
両親は旧統一教会の合同結婚式に参加して出会ったという。
男性自身も以前は教会で活動し、若い世代をまとめる立場に就いていた。
国会議員や地元の地方議員の選挙活動を手伝ったこともあり、政治家との関係を深めることは教会の活動にもメリットがあったという。

「教会の指示で、ビラ配りや演説会場の設営などを行っていました。投票呼びかけの連絡を回していたほか、信者ではない友人に投票をお願いしたりもしていました。布教活動を行う際に『政治家も私たちを応援してくれているから安心してほしい』などと外部に向けて発信している人もいました」

続く献金「経済的に苦しいのは教会のせい」
一方、男性の両親は収入が安定しない中でも献金を続けていた。
経済的に厳しい環境で育った男性は高校卒業後、専門学校に進み、奨学金とアルバイトで学費や生活費をまかなっていた。
ところが、両親は学費に充てるお金も献金などで使い果たしてしまったという。
男性はその後、なんとか学校を卒業して就職したが、社会に出てからは両親に代わって、きょうだいの学費を支払っていたという。数年前から両親や教会と距離を置くようにした。

「経済的に苦しいのは教会のせいだとずっと思っていましたし、両親には強い憤りを感じていました。両親は一般社会で仕事ができていたので、本来なら経済的に苦しむこともなかったと思います。もうこのような環境に身を置き続けることは難しいと思いました。家族とも離れることを決意しました」