バラード短編全集自体、それほど売れるとは思えないマニア向けの本。

しかも、そこに目玉としてウィリアム・ギブスンへ解説の原稿依頼する訳だから
「本当に解説の原稿依頼だけ? 彼の新作出版の話は出てないの?」 という
期待感を持つ人が出るのも当然だろうと思う。

一方、バラードに話を戻すと、バラード短編全集の版権は意外と安く手に入った
のではないかと自分はニラんでいる。
というのも、原本は The Complete Stories of J. G. Ballard という一冊本なので
この本1冊の版権でバラードの短編98作が手に入るのだとすれば、かなり割安
だったろうと予想しているため。(だから東京創元社も出す気になったのでは)

ただし、翻訳の単行本が高額なのは、日本ではバラードの短編集など購入する
読者は少ないため。
さらに、東京創元社としては、主なターゲットを図書館に絞っているんでしょうね。

図書館というのは、こうしたセットになった豪華本の方が(書棚の見栄えも良いし)
購入してもらいやすい市場となっています。
そのため、「バラード短編全集」というかたちで出版することで、全国の図書館へ
5冊セットで売り込めるなら、これはなかなか美味しい商売となるわけです。

実際、いま調べてみたら、図書の購入には渋いうちの市立図書館でも購入されて
いるし、みなさんも地元の図書館を検索しここで報告してもらえば、予想外に購入
している図書館が多いという結果になりそうな気がします。

The Complete Stories of J. G. Ballard    1,216ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/B007HXFCYM