] Sword Messiah
3.
一行が辿る道程は最早定められている。
訪れたのは旧王城である。迎え入れられた彼等は告げられる。
 王家の秘密。実は”ナーガ”、蛇魔道士首の血族であると。
シルバロニア王家には守護神として祭られるアスナルダという名の
女神がいる。かつて蛇魔道士達と争った存在で、勇敢で知に富んだ人物として語り継がれ、
彼女の伝説に人々は魅了される。人々は語る……。
 「危機が有った。彼女は単身敵陣に潜入し、フィラスキュラをまんまと煙に巻いて、
見事人質を連れ帰ったのだ」
 「か弱き乙女の様で卓腕の勇士。皆が尊敬と信頼を持って
彼女の元に集い、一丸となって戦ったのです。」
 「彼女は我が国の地酒を愛したという話も残っています。
”民も愛するが酒も愛する”、常々そう語られたそうです。
何でも、底無しにお飲みになったとか。」
 「真に卓越した剣士。鳥の様に舞い軽やかに戦場を踊る。
その唇に微笑みを絶やさずに……。」
フィラスキュラ曰く”憎きは聖なるアスナルダ!”。
 詰まり、アスナルダは何かを知っているのか。
シルバロニアの王の血統とは……?