あんなのに似た小説は俺が知る限りじゃ残念ながらない。

生々しい描写、人と人じゃないところを行き来する表現というところで思いつくのは、
川又千秋の人形都市とか。人のカタチをした違うものの町に行きついた孤独な男の
感傷が延々描写される短編だよ。他には、官能的といえば、C.L.ムーアの大宇宙の魔女。
スペースオペラ的なお約束の設定で、主人公は無頼の孤独な宇宙海賊。この一人海賊が
毎回、女性型の宇宙人や妖怪に囚われ、普段の渇望を忘れさせるような官能的な体験に
囚われながらも毎回勝利して帰還する様を描く。50ページくらいづつの短編集で、前半は、
SF的な戦いまでのお話、後半は毎回主人公が惑わされる内容だけを延々描写する。
主人公を女性とし、ファンタジー世界の姫剣士が男型の妖怪に囚われる処女戦士ジレル
という単行本も同じ作家の名前で発売されてるよ。