>>176
電子書籍は利益を出すことが目的というよりも、紙の本が売れるかどうかの市場調査の判断材料として役に立つ。
あと、電子書籍は(出費0円でも個人出版できることからも判るよう)よほど売れない限り赤字にはならないから、一度出した本が半年もしないうちに絶版となるようなことも少ない。

また、本の中には出版されてから時間がたち突然売れだすような本もあるため、電子書籍を長期間売り続けることで、そうした突発的な市場の変化にも対応することができる。

現状、紙の本の出版はほとんど博打に近いし、初版の返品量も近年では赤字となる4割に迫る勢いなのだという。
しかも、一度出して赤字となり売れなかった本はすぐに絶版となってしまうことから考えても、作家にとっては電子書籍の方がそれだけ本を売り続けてもらえる可能性が高い。

紙の本はたとえ売れ残った本でも、倉庫に保管しておけば会社の資産(在庫)として扱われ課税対象となってしまうため、経営の苦しい出版社では(売れるのを待つ時間など無く)泣く泣く廃棄処分するしかないというのが現状。

つまり、電子書籍の売上を見て紙の本を出版すれば、それだけ様々な見積もりが可能となり返品量も減らすことができ、出版社の経営に重くのしかかる従来のような無駄なコストが発生しにくくなる。