悠 「ちょっと皆さんに聞きたいことが……」
一真「ヴェッ……なんだよ、そんな深刻な顔してぇ……」
映司「もしかして、バングル捨てた影響でアマゾン化し始めたとか?」
悠 「そうじゃなくって……『ひとり旅同好会』のメンバーとしての相談なんですけど……
最近、ひとり旅してるのに行く先々で、兄……仁さんに鉢合わせるんです!!」
一真「悠、結構山奥とかに言ってるよな……」
悠 「そうなんですよ……長野の方まで言って、ちょっと部屋を貸してもらった児童養護施設でばったりあったり……牧場もいいかなとか思って行った先にもいるし……」
映司「会いたい人に会いに行こうと思って旅してもなかなか会えないのに……悠くんとお兄さんの偶然はすごいね……」
一真「運命……っていうか赤い糸っぽいなあ」
悠 「それ……仁さんにも言われて……何でなんですかね……こないだなんか、出掛けに仁さんと殺し合いの大喧嘩しちゃって、居心地悪くて家を飛び出したはずなのに……地方の絶対行かないだろ!っていう遊園地でまた会っちゃったんですよ」
一真「き……気まずい」
悠 「しかもなんか、仁さん……自分の息子の初デート監視してるみたいで……木陰からずっと千翼のこと殺気立った顔で見てて」
映司「兄のそんな顔見たくないかもね」
悠 「しかも、仁さん僕を見て『やっと来たか、悠。お前もアイツの監視をしろ』とか言い出すし……なんで僕の行き先知ってるんだろう……」
一真「殺し合いの喧嘩の後なのに……気まずいなあ、それ」
映司「そういえば悠くん。ひとり旅の時って誰かに行き先言ってるの?アマゾン家でも一応ルールあるでしょ?」
一真「ああ!うちだったら『帰国予定時間を総司と翔一に伝えておくこと』『オーロラを超えて世界を旅する時は出先でちゃんとどの世界に来たか電話をする』とか『時間旅行(ハイパークロックアップ)は月に2回まで』とかか!」
映司「そう、一真兄さんが言ったようなルールくらいあるよね?」
悠 「ええ……『食料は自己調達』と『行き先は七羽さんに告げる』ですね」
一真「七羽さんってお姉さんだっけ」
悠 「はい、義姉です。仁さんの奥さんで。男所体なんで家事全般やってくれてるので、夕飯の有無とかの関係で伝える約束です」
映司「じゃあ、その殺し合いの喧嘩の日も……」
悠 「あ、はい。出掛けにどこに行くのか聞かれて……詳しい場所までは言わなかったんですが、ちょうどそっちの方のご当地バーガーが話題になってたんで」
一真「行くって言った、と」
悠 「はい。お土産に地鶏を買ってくると約束して」
映司「お義姉さんに伝えたんだね」
悠 「はい」

一真(ヴェヴェヴェヴェ……映司これって……悠のお兄さん心配でついてきてるパターンだよな!)
映司(多分、兄さんが思ってるとおりだと)
一真(言ったほうがいいかな……)
映司(お兄さんも隠してるみたいなので……)
一真(そうだよな……ひとり旅じゃなかったって知ったらそれこそ今から殺し合いの大喧嘩だよなぁ……)