永夢と或人の会話ですが二号家の存在が前提です。
不破にだけ或人のギャグが受けているということは、或人のギャグを不破経由でしか知らない二号家の人は勘違い?するかもと思って。

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永夢「はぁー……」

病院から帰ってきた六男はいつになく疲れているようであった。
ドクターライダーという激務から考えれば、それも当然のことなのだが、どうやら今日はそれだけでもない様子。

或人「どうしたんだ、永夢兄さん。ため息ついちゃって」
永夢「あ、或人。ちょうど良かっ……いや、良かったのか?」
或人「俺に何か用があったの?」
永夢「う、うん。実はね、今度うちの病院で患者さんのための慰安ライブをやることになって、それで或人にもネタを披露してもらおうということになったんだけど……」
或人「ってことは芸人としての仕事!?もちろんやるぜ!あ、兄さんが言いにくそうだったのってギャラとか?チャリテイー目的な上に他でもない永夢兄さんの頼みならノーギャラでも大丈夫!」
永夢「いや、せっかく出てもらうんだから普通にギャラは出るよ。そうじゃなくて、或人をリクエストしたのは僕の先輩の外科医の飛彩さんなんだけどさ」
或人「隣の家にいる永夢兄さんの仲間の……」
永夢「そうそう。で、曰く『小児科医、最近お前の家にやってきた奴は、ネタを見れば一日中思い出し笑いが止まらないぐらい面白い芸人だと聞いたのだが』って……」
或人「おお!その飛彩さん、ただの甘いもの好きドクターじゃなくて笑いを見る目もあったのか!いやー嬉しすぎてハッピを着たいよ!そうハッピー!はい、アルトじゃーないと!」

単純に自分の芸人としての腕前が認められたと大喜びする或人を見ていると、更に不安が募る永夢であった。

永夢(いや、あれだよ?アレで一日中思い出し笑いが止まらないって??飛彩さん他の人と間違えているんじゃ……って思いたい。でも芸人って或人しかいないし……)

しかし、あまりにも或人が嬉しそうなので、そっとしておくことにした永夢であった。
なお、二号家に新しくやってきた諫の笑いのツボについて一号家のメンツが知るのはもう少し先のことである。