>>576

(渋谷廃墟。 エリアXの地下深く、分厚い扉を閉めて振り返る三島)
(そこには、 フェンシングのサーベルを構えて 加賀美陸が立っている)
(報告をする三島)

三島 「ご子息は エリアXに 興味を持ち始めたようです」

  (剣の切っ先を 三島の すぐ横に向ける陸。 くるりと振り返り、更に数回、 本気で振り回す)
 (刃が風を斬る音。 剣を構えたまま、話し出す陸)

陸  「君は 増えすぎたネズミが何をするか 知っているかね?」

三島 「…はっ?」

陸 「彼らは 自ら 川に落ちて死を遂げるという。 その時、 ネズミは 希望を胸に抱いて 飛び込むのだろう。
    (しゃがみ込み、瓦礫の上のネズミを見る) ……そこには、地獄しか待っていないというのに」