>>607

(足元に気を配りながら、渋谷廃墟を一人歩く ひより)
(『渋谷』 と書かれた朽ちた標識や地下鉄の看板、 ガードレール等、 様々な瓦礫が散乱したままになっている)

??? 「おーい、 ねえちゃーん」

 (ひよりが目を向けると、杖をついた浮浪者の男が 瓦礫の片隅で 焚き火の前に座り込んでいる)
 (男の周囲には ダンボール箱や 鍋や桶などの生活用品、 焚き火用の薪などが 雑然と置かれている)

浮浪者 「その先は 入れねえぜ。 (ひよりの進行方向を指差す)」

ひより 「………」

浮浪者 「行ったら最後、生きては戻れねえぞ」

ひより 「………(俯くが、意を決して歩き出す)」