>>753

(天道家の居間。 頭にスカーフを巻き、エプロンをつけた樹花が、はたきを 頭上に掲げている)

樹花 「天の道を往き、樹と花を慈しむ少女、 天道樹花。 シャッキーン! (もう一度、はたきを振り上げる)」

 (室内のあちこちを はたきを使って 掃除し始める)
 (左手で 箪笥の引き出しを開けて パタパタしていると、箪笥が揺れて、上に置かれた置物の像が床に落ちる)
 (樹花の注意が逸れて、 反射的に 引き出しの中身を 丸ごと 床のカーペットの上に ぶちまけてしまう)

樹花 「あっ!? ああ〜(汗)」

 (慌てて 散らばった中身を 引き出しの中に拾い集めるが、 ふと、その手が止まる)
 (床に落ちた一枚の写真を拾いあげる樹花)

 (写真には、子供時代の総司と 見知らぬ夫婦が写っている)

樹花 「これ… 誰だろう?」

 (その時、 玄関のチャイムが鳴って 来客を知らせる) ピンポーン

樹花 「はーい」

 (写真を ガラステーブルに置かれた本の間に挟んで、玄関に向かう)