>>151

(縦型のブラインドカーテンが下がる ZECT本部の一室。 窓際を歩く三島に 影山が しつこく追い縋っている)
(新しいエリア司令官に 天道が選任された件の不満を 上司の三島に さっそく注進している)

影山 「何故、カブトを 組織に入れたりしたんですか!?」

 (足を止め、影山に背中を向けたまま、三島が答える。 声に 若干の苛立ちが感じられる)

三島 「それが 本来の姿だ。 断る理由は無い。 (やや振り返る) だが、どうせ 奴は 何か企んでいるだろう」

影山 「それが わかっているなら 何で!? (ムキになって食い下がる)」

三島 「既に 手は打ってある (数歩 窓の方に歩く)」

影山 「(三島の左側に回り、見上げる)…俺、何も聞いてませんよ? (不安げ)」

三島 「………(窓の外を眺めたまま、無言)」

影山 「…三島さん! (右側に回り込む) 俺を見捨てないで下さいよ。 一生 ついていきますから! ねっ!」

 (媚を売る影山を無視して、三島は 不機嫌な表情のまま、その場を足早に去っていく)

影山 「……ねっ? (ポツンと取り残された影山が 立ち去る三島の背中に向かって 一人呟く…)」


       (カブト 第33話より)