>>164

(天道家。 エプロンを付けた樹花が 台所で 日曜日のホットケーキを焼いている)
(居間のソファーには、 天道と話し合いに来たが 不在だったのか、ネクタイ姿の加賀美が 一人で座っている)

樹花 「そっか、加賀美さんには まだ言ってなかったっけ? あたしとお兄ちゃんが 本当の兄妹じゃないってことを」

加賀美 「えっ……(間) エェェェーッ!? (驚愕)」

 (思わず 叫んで ソファーから腰を上げ、台所近くまで歩いていく加賀美)

樹花 「あたしが生まれる何年か前に、あたしのお婆ちゃんが引き取ったんだよ。 身寄りの無かったお兄ちゃんを」

 (フライパンのホットケーキをフライ返しで抑えながら、樹花が会話を続ける)

加賀美 「そうか…、だから あの時…… (小声で呟く)」

 回想 『お前は 俺の妹だ。 たった一人の妹だ』

 (加賀美は 腕組みして考え込み、海辺の教会での ひよりと天道の会話を 思い出している)