>>946

 (能面のように無表情な野球部の集団。  全員、同じ 『聖華学園』 のユニフォームを着ている)
 (細い山道で擦れ違う 二つの野球部員達)

童歌 『御用のない者 通しゃせぬ……』

 (入れ替わるように走り去る もう一つの野球部を、立ち止まって振り返り、呆然と見送る少年達)
 (周囲は、どんどん 霧が濃くなっていき、 彼等の姿を隠し、包み込んでいく……)

童歌 『この子の七つのお祝いに……』

 (木々の枝の間に張られた蜘蛛の糸)
 (蜘蛛の巣の上で、黄色と黒の縞模様の女郎蜘蛛が、獲物が罠に掛かるのを じっと待っている)

 (霧が晴れる山道。 其処には 誰もいなくなっている……)


       (カブト 第37話より)