>>93

(そそくさと、剣が使用する事になった学習机を、じいやが相応しいものにしようと飾り立てている)

 (白い刺繍入りテーブルクロスを敷き、その上に 白百合の花を生けた花瓶を飾る)
 (隣の席から、芳香を放つ美しい百合の花に見惚れていた樹花が、ふと、机上に視線を向ける)

 (持ち手に 洒落た金属細工が施されたティーカップと受け皿を、じいやが剣の前に置く)
 (それを手に取り、カップに満たされている紅茶の香りを 剣が嗅ぐ)

神代 「良い香りだ 。(陶然)」

 (庶民とは掛け離れた 剣の振る舞いに、興味津々の生徒達が 一斉に 剣の席を振り返る)

爺や 「お褒めにあずかり、光栄です」

 (一口飲み、満足げに じいやに微笑む剣。 隣に立つじいやが 恭しくお辞儀を返す)

 (一向に教室から出ていこうとしないじいやに痺れを切らせた女性教諭が 肩を怒らせて歩み寄る)

女教師 「あのぉー! (怒) 帰って下さい! (キッパリ)」

爺や 「はいぃ? (狼狽)」